3日ずつのおくりもの
著:レミ・クルジョン 訳:こだま しおり
ひいおじいちゃんは毎年誕生日プレゼントにみんなから「3日間の寿命」をもらって長生きしてる。でも今年は違うものが欲しいんだって。
対象年齢:3歳・4歳・5歳 ボリューム:ちょうどいい
こどもに初めて「死」の概念を伝えたのはいつだっただろう。
どんな文脈だったか、どんな反応だったかもう忘れてしまったけれど、今もなにかのきっかけでこの話題に触れるとすごく拒否感を示す。
「死」=誰かがいなくなること=寂しいという想いがセットになっているようにも感じる。
この絵本に出てくるひいおじいちゃんのホープは、誕生日にまわりのみんなから「3日ずつの寿命」をもらっているおかげでとても長生きしている。
でももう十分生きたから、寿命の代わりに好きな本やCDがほしいって。
そして最後は好きな音楽を聴きながら天に召される。みんなは「やっぱり寿命をあげておけば良かった」って後悔するけど、主人公のリトルは好きなものに囲まれて旅立ったひいおじいちゃんの想いを受け止める。
この、去り行く人の「思いを受け止める」ことがすごく難しいんだよなあ。
現実では遠方に住んでたりして、久しぶりに会うと近況報告で終わってしまい、日々どんなことを想っているのか、この後の人生をどんな風に過ごしたいのか、終わりたいのか。そんなことを話す時間もなく束の間の滞在が終わる。
娘たちはいつも「長生きしてね」という。それはもちろん、長生きすることに越したことはないだろう。
でも、「どんな風に」長生きするのか、の部分は任せきりだったり、思考停止していたりして、余程きっかけがないと踏み込まない領域だ。
大人にとってはそんなきっかけを作ってくれる本でもあるし、こどもたちには、このホープおじいちゃんとリトルのように、自然と、お互いに、老いと別れを受け止められる関係性を通じて、「死」は必ずしも怖いだけのものではないということを徐々に知っていってほしいと思う。
もう新刊では売ってないようなので、古本屋で見つけたらラッキーと思って手に取ってみてくださいね。
たまり
